【飛蚊症・網膜裂孔体験談】見え方が変わったあの日
目の前に黒い影が…それ、放置すると失明の危険も?
ふわふわと飛ぶ黒い影。
それを目で追っても、なかなか捉えられない──それが「飛蚊症(ひぶんしょう)」です。
私の場合、それが「網膜裂孔」、さらには「網膜剥離」へと進行し、緊急手術を受けることになりました。
本日はその実体験をもとに、飛蚊症の正体と、見逃してはいけないサインについてお伝えします。
この記事でわかること
- 飛蚊症とは何か?
- 飛蚊症になったらどうすればいいか?
- 飛蚊症から判明する重大な目の病気(網膜裂孔・網膜剥離)
飛蚊症とは
目の前に、黒い影や糸くずのようなものが浮かんで見える状態を「飛蚊症」と呼びます。
眼球内の「硝子体(しょうしたい)」というゼリー状の組織に濁りがあると、それが網膜に影を落とし、視界に黒い点や線として現れます。
子どものころから見える人もいますが、多くは加齢による変化とされる「生理的飛蚊症」です。
しかし注意すべきは、「病的飛蚊症」。
私の場合も、ただの老化現象ではなく、網膜に裂け目が生じる「網膜裂孔」だったのです。
飛蚊症を感じたら、すぐ病院へ
「今週は忙しいから、来週にしよう」
「気のせいかもしれないし…」
そんな判断が、後悔につながることもあります。
私の場合、「網膜裂孔」が見つかり、すぐにレーザー治療を受けましたが、それでも進行を止めることはできず、一週間後には「網膜剥離」が発覚し、緊急手術・入院となりました。
網膜剥離が視力の中心部にまで達すると、手術をしても視力が戻らない可能性があります。
ですから、飛蚊症の症状が出たら、迷わず眼科を受診してください。
飛蚊症でわかる重大な目の病気
![]() |
引用:医療法人社団 医新会 |
網膜裂孔とは
網膜に亀裂や穴が空く病気です。原因は年代によって異なります。
- 若い人:強度近視やスポーツでの打撲などにより、網膜が引き裂かれることがあります。
- 中高年:硝子体の変化によって縮み、網膜を引っ張る力が強く働き裂け目ができることがあります。
網膜剥離とは
網膜が眼底から剥がれてしまう重篤な病気です。
網膜裂孔が進行すると、そこから液体が網膜の裏に入り、網膜をはがしてしまうのです。
- 若年者:進行は緩やかで気づきにくいこともあります。
- 中高年:急速に進行することが多く、早期発見・治療が重要です。
網膜剥離の治療法
1. 硝子体手術(眼球の内側から修復)
- 硝子体を除去し、眼球内を空気に置換
- 剥離した網膜を色素上皮に接着
- 裂孔周囲をレーザーで凝固
- 網膜を固定後、眼球内にガスを注入
- ガスで網膜を押さえ、自然に吸収されるまで数日間安静
2. 胸膜内陥術(眼球の外側から修復)
- シリコンスポンジを縫いつけ、網膜を内側へ押し戻す
- 網膜裂孔部分を冷凍またはレーザー凝固
- 必要に応じて水分排出やガス併用も行う
網膜剥離を早期発見するチェックリスト
次の項目に当てはまる場合は、すぐに眼科を受診してください。
- 片目ずつ確認して、視力が落ちていないか
- 物が歪んで見えないか
- 見えにくい部分(暗点)はないか
- 飛蚊症が急に増えたり濃くなっていないか
網膜剥離のリスクが高い人
- すでに網膜裂孔がある人
- 強度近視の人
- 眼の外傷を経験した人
- アトピー性皮膚炎で目の周りをこすりがちな人
- 家族に網膜剥離の経験者がいる人
まとめ:目の異変は放置しない
「加齢のせいかな」と思いがちな飛蚊症ですが、重大な病気のサインであることもあります。
少しでも「おかしいな」と思ったら、すぐに眼科を受診しましょう。
100年ライフを楽しむためにも、目の健康は最優先に考えていきましょう。
📘 おすすめ書籍:
めめ子と学ぶ 新・まるごと眼科入門(眼科ケア2020年春季増刊)