読まずに生きられるか!

ALIVE

ずいぶん昔に「読まずに死ねるか!」(内藤陳)という本を読み、色々な本に巡り会い本が好きになった。
今回は今まで1000冊以上は読んだ中からまずは5作品をお勧めします。
これらの本を読んで、知識が習得できるとか、性格が良くなるとか、賢くなるとか、お金が増えるとか何もありません。
生きることの喜び哀しさに涙し、人間の素晴らしさに心震えてください。
これらの読書体験が無形の財産になると信じています。

    おすすめ5作品
    1、炎立つ(高橋克彦)
    2、水滸伝(北方謙三)
    3、横道世之介(吉田修一)
    4、初秋(ロバート・B・パーカー)
    5、ホテル・ニューハンプシャー(ジョン・アーヴィング)

1、炎立つ(高橋克彦)
奥州藤原家の物語。
高橋克彦の奥州三部作のひとつ。
年代的には真ん中にあたるが、年代順に読む必要はなく、またこの「炎立つ」が一番面白い。NHKの大河ドラマで放送されてたらしいけどそちらは見たことがないです。
全5巻で、3巻・1巻・1巻と3部作になっています。
ずっと昔会社勤めをしていたとき、この本を部署の皆で読み回していた時があった。
同僚の女子が通勤時地下鉄でこれを読んでいたら、涙が止まらなくなり、「大丈夫ですか?」と隣の人に声をかけられたそうな。
ちなみにそれは3巻の最後。
3巻のラストは人前で読まないこと。

2,水滸伝(北方謙三)
文体が短くてハードボイルドだ、なんて事はどうでも良い話です。
男が漢と書いておとこと呼ばれていた時代の話。
横山光輝作の漫画で読んだことは事はあってけど、その時は「三国志」がすごく長い話だったとの記憶はあったけど、「水滸伝」はまったく記憶がなかった。
中国では「三国志」はお年寄りは読まないように、「水滸伝」は若者は読まないように、との言い伝えがあるらしい。
文庫化された当時はHPが立ち上げられ、好きな登場人物ランキングなどあった。
全19巻ととても長いけど、それだけ至福の時間が過ごせる。
何も予備知識なしでドップリとこの物語につかると良い。

3、横道世之介(吉田修一)
青春物語。
なぜこの本を最初のベスト5に入れたかはハッキリと説明がつかないです。
全ての本が私の趣味ですといえばそうですけど、他の4作品に比べると口に出してここが凄いというところが説明できません。
だけど気になる作品だし、人に勧めるときに真っ先に頭にうかんだ作品です。
面白い本は他にもいっぱいあるし、僕の好きな司馬遼太郎とか村上春樹とかまだまだあります。
なぜこの本を選んだのかは謎です。

4、初秋(ロバート・B・パーカー)
ロバート・B・パーカーは2010年1月18日に亡くなっています。
日本で最後に発売されたのは2011年の「春嵐」でスペンサーシリーズは全40作品あります。
昔は就職面接で尊敬する人物は誰かいますか?など聞かれるのもでしたが、私はいつも「スペンサーです。ボストンの私立探偵です」と答えていました。
スペンサーシリーズの中でも2作目の「誘拐」から8作目の「残酷な土地」は最高です。
本作品「初秋」は7作品目にあたります。
ハードボイルドでありながら本作品は少年の成長物語。「約束の土地」も良い。

5、ホテル・ニューハンプシャー(ジョン・アーヴィング)
好きな村上春樹からは1作品も選んでいませんが、多分影響を受けていると思われるジョン・アーヴィングから1作品。
ジョン・アーヴィングはストーリーの組み立てとか天才だと思います。
あと他の作品も含めてですが、一貫して感じられるのが「人生何でもあり」ということです。
凄いトラブルに巻き込まれたり、悲惨な目にあったりするのですが、なぜか悲しくなく、清々しい気持ちになります。
そのあたりが村上春樹との違いというか、他の作家との違いのように感じます。
友達に紹介する時「家族の話で、色々な事件が次々と起こって、普通ななら悲しいんだけど悲しくなく、めっちゃ面白い」としか説明できませんでした。

とにかく
まだこの5先品を読んでいない人は、人生の10%は損してると思う。
本屋さんでこれら作品を置いていない店はなんだなあって感じですね。